« 拉致問題対応への意見対立 | トップページ | 今治私立幼稚園協会 忘年会 »

2011年12月17日 (土)

日本経済の強靱化のキーワード「引力」

 12月16日には引き続き、国土強靱化総合調査会の第10回目の会合が開催されました。

 東日本大震災後、日本の国土の強靱化をめざすために二階俊博会長のもと 設置されたこの調査会には私も極力参加するようにしています。

 本日の講師は NPO法人岡崎研究所理事長である岡崎久彦氏。

 岡崎氏が新聞や雑誌に数多くの論文を寄稿されていることをご存知の方も多いと思われます。

 ややもすれば、国土強靱化というテーマが国土交通分野の議論のみに限られていると誤解されがちですが、伝統を重んじる日本型社会再構築のための国土の強靱化という視点を私たちは大切に思っています。

 その観点から言えば本日の講師である岡崎氏は最適任者の一人です。

 講演・質疑応答があった後、脇参議院自民党国対委員長から締めの言葉ともなるような発言がありました。

 「本日の岡﨑先生の講演から学んだことは、国土強靱化の前提条件としてまずは日本の政治の強靱化を図る必要があるということでした。」

 納得!

 ところでこの調査会の第7回目の講師であった伊藤元重東大教授のお話も大変興味深いものでした。若干紹介します。

 議題は「日本経済の課題」

『ギリシャから始まったヨーロッパの危機・鈍化しはじめた中国経済成長率・リーマンショックから立ち直れないアメリカ経済の危機的状況などが、国債発行残高の増大やデフレ縮小経済に悩む日本経済に与える影響は計り知れない。

 企業も家計も不安から貯蓄に回り、投資に活用されるべきそのお金が国債購入という政府の借金の穴埋めに使われており、このままでは強い日本にならない。

 そこで日本経済のグローバル化を図る必要があるが、そのキーワードは「グラヴィティ(引力)」である。

 オランダのヤン・ティンバーゲンという学者が50年前に提唱して第1回ノーベル経済学賞を受賞した考え方である。

 すなわち、二国間の貿易は地理的に近い程大きく、同程度の距離の国の場合規模が大きい程貿易額が大きいという単純な理論である。

 日本の場合、アジア近隣諸国の経済規模が小さかったため引力が働かなかった。

 しかし現在20年前には日本のGDPの1/8であった中国、1/10の韓国、1/20以下の他のアジア諸国は急速に発展している。

 もし、この引力の法則がマクロ的に正しいとすれば日本の輸出は飛躍的に増えていくはずである。

 そこで日本は現在の産業構造を抜本的に転換する必要があり、今後縮小するであろう自動車やエレクトロニクス分野からの脱却を図っていくべきである。

 現に一例を挙げれば、中国の観光客は日本に来て、大正漢方胃腸薬などの医薬品を購入しており、日本の安全性への信頼性を求めているのである。

 また距離の問題についての例も挙げる。

 全日空は貨物の拠点に那覇空港を選び、貨物専用便を8便就航させた。

 国内は成田・羽田・関空からの便、海外はバンコク・上海・香港・ソウルであり、すべて4時間圏内である。

 夜中に沖縄で貨物を積み替え、その後各地に飛ぶ故、千葉で採れた野菜が翌朝バンコクに並ぶことが可能となった。

 すなわち、日本の各地方都市がアジアの各国とどのように結びつき、グラヴィティ(引力)を活かせるかが、キーポイントになっているのである。』

 講義の一部分しか紹介できませんでしたが、是非参考にして下さい。

|

« 拉致問題対応への意見対立 | トップページ | 今治私立幼稚園協会 忘年会 »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 拉致問題対応への意見対立 | トップページ | 今治私立幼稚園協会 忘年会 »